最近読んだ良かった書籍の紹介になります。
著者:安藤広大さんの「数値化の鬼」という書籍です。
タイトルにある通り、数値化で物事をとらえることに焦点をおいた内容で数値を用いた客観的な説明の重要性や実践方法の記載があり、さらに個人、企業として成果を挙げるために必要な思考法についてまとめられています。
興味のある方は是非、購入して読んでもらいたいのですが、簡単に要約して内容をお伝えできればと思います。
章立てとしましては、序章から始まり、第1章~第5章、終章へと続く構成となっています。
各章でどのようなことを書かれているかを要約しお伝えさせていただきます。
序章 「数値化の鬼」とは何か
序章では、日常で起こる数字の認識齟齬についてまずは述べられています。
会話の上で、少し遅れていますなどの表現で「少し」というのが、1時間なのか、1日なのか人によって解釈が異なることから起こるような、数値化されていない曖昧な表現に対する問題を掲げられています。
曖昧な表現をなくし、具体的な数値化されたものを提示することが初めの第一歩となり、日々具体的な数字と戦うことが自身への成長に繋がります。
仕事の出来る人は、1日5件の営業電話をすると決めた際に、1日の終わりに成果を確認し、結果が4件だったとする。その場合、目標に足りないのは1件なので、その1件をどうすれば埋められるかを考えられる習慣がついている。
仕事の出来ない人はこの足りない1件を「ちょっと」足りなかったという曖昧な表現に隠してしまう。
習慣的にこの「差」という物差しを具体的な数値で受け入れられている人が仕事の出来る人になる。
第1章 数を打つところから始まる ー「行動量」の話
第1章では、PDCAサイクルを回すことであるが、特にDの「行動量」が大切でその数をいかに増やせるか重要とあります。
日々、目標のための目標を振り返る「KPI」という手法を用いて、数値化された管理を行います。
具体例では、半年で12件の計画が目標(P)に設定されている時に、自分自身の1日ごとの行動(D)としては4件のアポを設定。
振り返り時に数値化の鬼となり、「1日3件のため未達。午後のタスクに2時間かかるため、午前中の1時間に1件アポを取る。」といったような数字のマネジメントをできるように実践が必要。
第2章 あなたの動きを止めるもの ー「確率」の話
第2章では、確率の話をしています。
勝率80%と60%とどちらがすごいのか。単純に考えれば、80%です。
ただ、5回中4回の80%と100回中60回の60%と聞くと印象が変わるはずです。
単純に%だけをみてはいけないという話で、分母の行動量という部分が重要です。
この確率を目標にしている場合に組織や個人としての成長・成果を止める危険性があるということを理解しておく必要があります。
「月間の成約率を50%とする」場合に、現在10件中5件の成約でちょうど50%の成約率。さらに1件獲得しようとして、失敗すると50%を切ってしまうので、このままにしてします。
これで確率の危険性です。もう1件取れる可能性があるところのチャレンジができなくなってしまいます。似たようなことが仕事上の身の周りにあるはずです。
確率(%)で数値を見るときは分母を考慮した思考をしなければ、組織を甘やかすことになる。
第3章 やるべきこと、やらなくてもいいこと ー「変数」の話
第3章では、仕事の成果に大きな影響を与えるもの、すなわち「変数」を見分けられるかの話。
二次方程式のy=ax+bのxに当たる部分が変数で、ここを見極めて改善できれば、成果のyが大きくなる。
PDCAサイクル回しながら、変数だと思うものに仮説を立てて、検証する。効果がなければ、別の変数の仮説を立てて、検証する。これが変数の見つけ方である。
店舗の売上100万円を目標にしていたが、未達になった。理由の候補として、「雨が多かった」、「人員不足」、「新商品の売れ残り」、「リピータ不足」が挙がった。
この時にまず定数(変えられないこと)を探し、それは「雨が多かった」になります。これはどうしようもない条件です。
変数の仮説として「リピータ不足」をまず検証し、リピータを増やす対策を実践します。この結果、売上が増えたのであれば、変数は「リピータ不足」であったと分かります。売上が増えなければ、次の変数の仮説を検証していきます。
仕事の成果が出る変数が何なのかを考えることが重要となります。
第4章 過去の成功を捨て続ける ー「真の変数」の話
第4章では、変数は1つではなく、増減することを理解し、成功体験にとらわれ過ぎないことに対する注意を述べています。
仕事の成果が出る変数は確かに存在し、一度成果がでた変数を使い続けることは多い。しかし、何年も同じ変数が効果的とは限らない。新しい変数が出てくるのは当然のため、探すことをやめてはならない。
そのため、PDCAサイクルを回し、真の変数を見つけるために必要なのが数値による証明である。
よくあるのが過去の成功体験から抜けられない人を抱える組織である。前はこれで上手くいっているため、他の方法でやることに中々踏み出せず、本人もその自覚がない。
その時に、数値と変数の証明を見せ、今は過去の方法が成果に繋がっていないことを認識させる必要がある。
変数の考え方は変わらないが、変数自体は変わるので、そこを見極めることを常に実施し続けることが重要である。
第5章 遠くの自分から逆算する ー「長い期間」の話
第5章では、短期的な利益だけでなく、長期的な利益を見据えた視点を持てているかの話です。
大きなクライアントのみを重視していたAさん、大きいクライアントも小さいクライアントも重視していたBさん。今はAさんの方が成果を挙げ続けている状態ですが、数年後はどうでしょうか。
大きなクライアントで業界再編が起こり、契約が終了したら、Aさんはピンチ、Bさんは小さなクライアントから仕事をもらうようなことになるでしょう。
この場合、成果を挙げる変数は大きなクライアントであったのですが、それが一気に0になったため、成果も0になってしまうケースです。
初めは短期的な視点を持ちますが、長期的な視点も必要ということです。
マネージャーや経営層になるほど、今までのPDCAサイクルが数年後を見据えたものになっているかの視点を持つ必要があります。
終章 数値化の限界
終章では、数値を見る大切さは理解してもらえたうえで、数値が全てではない場合もあることをお伝えしています。
数値は物事を測るモノサシであることを理解し、活用できるようになれば、その先に「やりがい」や「達成感」もついてきます。
まとめ
「数値化の鬼」という書籍についての紹介と要約になります。
書籍の内容を全てお伝えできたわけではありませんので是非興味を持たれた方は読んでみていただければと思います。
数値に対する意識が大きく変わり、実践を続けていけば、あなたも「数値化の鬼」になるのではないでしょうか
最後までお読みいただきありがとうございました。
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