2022年7月19日にAWS認定SysOpsアドミニストレーターアソシエイト(SOA)試験に合格することができました。
SOA-C02の新試験になり、選択問題に加えて、試験ラボという実際にAWSコンソールの操作が必要な問題も追加され、実務経験が少ない方にとって、難易度が上がっています。
私も試験ラボに不安があったため、過去に試験ラボに出題された情報を集め、ハンズオンなどの対策方法を考え、実践しました。
合格には必須な試験ラボ対策を含めて、新試験の概要から合格するための勉強方法などをお伝えしたいと思います。
▼AWS認定SOA合格時のスコアレポートです
AWS認定SOA対策の勉強時間・勉強方法まとめ
詳細は後ほど説明しますが、先に勉強時間の目安、勉強方法などをまとめてお伝えしておきます。
前提条件:CLF・SAA・DVA合格済み
勉強期間:1か月
勉強時間:50時間
勉強方法:(選択問題)AWS認定資格試験テキスト+WEB問題集+模擬試験問題集を9割正解できるレベル
(ラボ対策)AWS認定資格試験テキスト + ピアソンVUEラボサンプル問題
費用 :27,938円(受験料:16,500円+参考書:2,970円 +WEB問題集:6,028円 + Udemy問題集2,440円)
※受験料は他のAWS試験に合格していれば、半額バウチャーを利用可能です。
試験概要
最初にSOA試験の概要を確認するために、AWS公式の試験ガイドを見てみましょう。
特に出題範囲外のサービスを確認しておくと、本番試験でCloudSearchやEMRという言葉が出てきても、正解になる可能性は低いと判断できます。
ガイドによると、試験合格に必要な能力は以下とされています。
• AWS Well-Architected Framework に基づいた AWS ワークロードをサポートおよび保守する
引用元:AWS Certified SysOps Administrator – Associate (SOA-C02) 試験ガイド
• AWS マネジメントコンソールと AWS CLI を使用してオペレーションを実行する
• コンプライアンス要件を満たすセキュリティコントロールを実装する
• システムのモニタリング、ロギング、およびトラブルシューティングを行う
• ネットワークの概念 (例: DNS、TCP/IP、ファイアウォールなど) を適用する
• アーキテクチャの要件 (例: 高可用性、パフォーマンス、キャパシティーなど) を実装する
• ビジネス継続性と災害対策の手順を実行する
• インシデントを特定、分類、および修復する
AWSサービスを用いた運用・保守において、ベストプラクティスの管理方法、障害対策などを行える知識を持っているかが問われます。
・試験日 :年中選択可能
・受験料 :16,500円(税込み)
・受験方式:テストセンター or オンライン
・試験時間:180分
・問題数 :65問(選択55問/試験ラボ10問)
・問題形式:単一選択/複数選択/試験ラボ
・合格基準:720点以上
難易度
SOAはAWS試験では、アソシエイトレベルにあたるため、初級~中級ぐらいの難易度となります。
アソシエイト3資格(SAA、DVA、SOA)で難易度を比較すると、DVA<SAA<SOAの順に難しかったです。
多くの方は最初にSAAを取得すると思いますので、ある程度AWSの知識を持ってDVAかSOAを受験するので、選択問題に関しては、ある程度理解した状態で臨めると思います。
ただ、SOAは試験ラボがあるので、実務経験が少ない方はラボ対策が必要であり、難易度としては一番難しくなります。
試験ラボの採点基準が不明なので、思っていた以上に点数を取るのが難しいです。
出題範囲
出題分野と出題の比率としては以下のようになっています。
出題分野 | 出題比率 |
---|---|
モニタリング、ロギング、および修復 | 20% |
信頼性とビジネス継続性 | 16% |
デプロイ、プロビジョニング、およびオートメーション | 18% |
セキュリティとコンプライアンス | 16% |
ネットワークとコンテンツ配信 | 18% |
コストとパフォーマンスの最適化 | 12% |
試験日
AWS認定試験の試験日は基本的にはいつでも受験可能ですが、ピアソンVUEしか選択できず、テストセンターとオンライン試験で予約可能な時間帯から選択する必要があります。
すでに予約がいっぱいになっていると、希望時間帯の予約が取れない可能性があるため注意が必要です。
試験日を決めた後は早めに受験可能かを確認し、申込をしておくことをおすすめします。
AWS認定試験の詳しい申し込み方法はこちらの記事が参考になります!
>> 【2022年最新】AWS認定資格試験の申し込み方法を解説(写真付き)
試験形式
試験時間は180分で65問の回答となっていますが、選択問題55問と試験ラボ①と試験ラボ②の3つに分かれ、次の試験に進むと戻れないようになっています。
時間配分としては事前に考えておく必要がありますが、選択問題55問を120分、試験ラボ①を30分、試験ラボ②を30分を目安としていました。
AWS試験では、採点対象外が15問含まれていますが、受験者は特に気にせず、全問必ず解くようにしましょう。
合格基準
合格基準は720点以上となっており、試験は採点対象の50問の結果から、100点~1000点のスコアが採点されます。
ラボ試験の点数比率は全体の20%となっていますので、200点分はラボ試験の配点となっています。
ラボ試験の対策が難しいことから、なるべく選択問題で合格基準に近づけるぐらいの対策をすることをおすすめします。
勉強方法
ここから、SOA試験の勉強方法をお伝えさせていただきます。
ラボ試験対策も重要ですが、基本は選択問題の部分から確実に点数を取れるようにします。
選択問題の対策としては、「AWS認定資格試験テキスト」⇒「WEB問題集」⇒「模擬試験問題集」の順番に進めていき、試験範囲の知識をインプット、問題集で理解度の確認を行います。
ラボ試験対策は「AWS認定資格試験テキスト」⇒「ピアソンVUEラボサンプル問題」をハンズオンで行います。
AWSアカウントの作成が必要ですので、事前に作成しておきましょう。
既に作成済みの方でも、新しいアカウントであれば無料利用枠を1年分利用できるので、活用することも検討しましょう。
・「AWS認定資格試験テキスト」⇒「WEB問題集」⇒「模擬試験問題集」の順番
・演習問題の正答率が9割を超えるまで周回する
各勉強教材の詳細を次に解説します。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定SysOpsアドミニストレーター – アソシエイト
参考書として使用したのが、「AWS認定資格試験テキスト AWS認定SysOpsアドミニストレーター – アソシエイト」です。
発売されたのも2022年6月と最近で新しい情報で試験範囲のサービス内容を体系的に学習することができます。
各章の演習問題は多くはないですが、模擬試験で選択問題65問とラボ試験3問を解くことができます。
他のアソシエイト試験に合格できる知識があれば、本書の内容をすらすらと読みながら進めていけると思います。
知らない部分を重点的にまずは1周をやり切りましょう。
ラボ対策での使用方法は後ほど別枠で解説します。
最終的には問題部分を9割以上は正解できるレベルまで、周回するようにして勉強をします。
AWS認定SOAの参考書についてはこちらの記事で紹介しています。
>> 【2022年発売】AWS認定SysOpsアドミニストレーター・アソシエイトのおすすめ参考書
AWS WEB問題集で学習しよう
SOA対策のメインはTeck Stockの「WEB問題集」で行います。
すべてAWS試験の問題が収録されており、SOAだけで650問以上に演習問題を解くことができます。
価格がベーシックプランで4,928円(税込み)、プロフェッショナルプランで6,028円(税込み)となり、高く感じるかもしれませんが、問題の量と質がともに揃っています。
(アソシエイトレベルの問題であれば、ベーシックプランで全て解くことができます。)
1回7問ごとの問題で#1~#97まで準備されていますが、後半部分の#50~#97を解くようにしましょう。
前半部分は旧試験時代の内容も残っており、余裕があればやる程度で問題ないです。
#50~#97を解きながら、解説を読んで理解を深めていきましょう。
問題集では、出題されていなかったが、解説には載っていた内容で本番試験に5問ほど出題されていたので、しっかりチェックしておきましょう。
勉強の目途としては3周以上周回して、9割以上の正答率となることを目指します。
そこまで解けるレベルになっていれば、本番試験でも余裕をもって6~7割は確実に正答できるレベルになっています。
【SOA-C02版】AWS 認定SysOpsアドミニストレーター アソシエイト模擬試験問題集(全4回分294問)
最後にやるべきなのが、Udemyで提供されている「AWS 認定SysOpsアドミニストレーター アソシエイト模擬試験問題集」です。
ラボ試験を含む模擬試験が4回分収録されているので、試験対策として問題演習を積むことができます。
本番試験に出題される以上の難易度で、難しく、明らかに出題されないレベルの問題も含まれています。
単純にAWSの勉強としては有用ですが、すべて理解しなくても試験対策としては問題ないです。
こちらも何周か周回して、選択問題部分で8~9割の正答率になれば、学習としては十分です。
ラボ試験の問題として、AWSコンソール操作方法の選択問題がありますが、こちらはハンズオンで答えを見ながら実践しておくと良いです。
CLIの問題は出題されないので、軽く見ておく程度で問題ないです。
Udemyのラボ試験の問題は正解する必要はないので、目を通す程度にしておきましょう。
ラボ対策
ここからはラボ試験対策として、やるべきことをお伝えします。
AWSアカウントの作成は必須なので、持っていない人は作っておきましょう。
(数十円~数百円の利用料はかかります。)
ラボ試験の出題予想
私なりにラボ試験の情報収集、出題傾向を分析し、大きく2問出題されるテーマで以下の3パターンのどれかが本番試験で出題されると予想しています。
実際の試験では①のパターンが出題されていました。
- S3 + VPC
- ALB/EC2 + EventBridge
- CloudWatch + CloudFormation
出題のメインとなるサービスに関連する各種設定が5問ずつ程度、出題されます。
内容としては基本的なものが多く、S3であればバケット作成して、バージョニングの有効化を行う、VPCであれば、VPC内にパブリックサブネット、プライベートサブネットを作成して、ルートテーブル、セキュリティグループを設定するなどの基本操作になります。
ハンズオンでの学習
AWSコンソールでの操作が必要であるため、対策としてハンズオンは必須となります。
(AWSコンソールのGUI操作だけで解答できるので、CLIでのコマンドは打てなくても問題ありません。)
まずは、「AWS認定資格試験テキスト」に載っているラボ試験の模擬試験で、出題が予想されるパターンのハンズオンをほとんどできるので、まずは模擬試験をやりましょう。
解答を見ずにできれば良いですが、解答通りに出来るようにしておくだけでも、十分な対策となります。
EventBridgeは載っていなかったので、S3にオブジェクトがアップロードされたのをトリガーにSNSトピックを発行することを想定して、個別でハンズオンの練習をしておきました。
次に、本番試験の申し込みをピアソンVUEで行うと、試験内容の確認メールにラボ試験のサンプル問題を受験できる案内が送られてきます。
初回利用から90日間で3回受験可能となっていますが、出題される問題は3回とも同じのため、1回受ければ大丈夫です。
本番試験と同じで、AWSコンソール画面と問題が出題された画面にアクセスし、実際の設定を行うことができます。
回答完了後は採点がされ、正解・不正解だけ教えてもらえますが、正しい解答は分かりません。
試験を終了しなければ、再度、回答を修正して、採点を行えるので、何が原因で間違いであったのかを把握しておきましょう。
指定された以外のタグを設定をしていると間違いと判定されたので、出題内容に忠実に回答することが求められます。
ラボ対策のハンズオンとしては、「AWS認定資格試験テキスト」と「ラボ試験のサンプル問題」の2つを必ずやっておきましょう。
あとは、AWS公式のチュートリアルやUdemyのハンズオンができる講座をやることもおすすめします。
さいごに
長くなりましたが、AWS認定SysOpsアドミニストレーターアソシエイト(SOA)試験の勉強方法を解説しました。
受験してみて思ったより点数が低かったので、勉強量が不足していれば、落ちていたのかなと思います。
ラボ試験が点数を取りにくいことが予想されるので、選択問題も時間をかけて勉強しておくことをおすすめします。
振り返ってみると、試験対策として行った勉強は今までで一番自分に役に立つ内容だったと思います。
今後、SOAを受験される方に少しでも役立つ内容であれば嬉しいです。
実際にSOAの勉強をしていた時に勉強記録を残しているので、気になる方は参考までに見てもらえればと思います。
>> 「【勉強記録】AWS SysOpsアドミニストレーターアソシエイト(SOA)~計画編~」はこちら
>> 「【勉強記録】AWS SysOpsアドミニストレーターアソシエイト(SOA)~勉強編①~」はこちら
>> 「【勉強記録】AWS SysOpsアドミニストレーターアソシエイト(SOA)~勉強編②~」はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
「AWS 認定SysOpsアドミニストレーター アソシエイト模擬試験問題集」
こちらのリンクがUdemyではなくコレダ!というサイトに飛ぶのは故意でしょうか?
もしリンクが誤っているのでしたらUdemyのリンクを教えていただけますと幸いです。
コメントありがとうございます。コレダ!のサイトへ遷移するのは、Udemyのリンク切れとなっていました。ご不便をお掛けし、申し訳ありません。
対象のSysops模擬試験講座は現在、新規受付を停止しているため、URLが公開されていないようです。
再度、公開され次第、正しいリンク先へ修正させていただきます。