Javaエンジニアだった筆者が、転職せずに同じ職場でAWSの実務経験を積むまでにやったことを、実体験としてお伝えさせていただきます。
筆者はSIerでJava・Spring Frameworkを使ったサーバサイド開発を担当しながら、同じ会社に在籍したままAWSの実務を約3年経験しました。AWS認定資格はソリューションアーキテクト プロフェッショナルを含めて7つ取得しています。
「AWSエンジニアになるには」で検索すると、未経験からの学習ロードマップと転職の話がほとんどです。ですが実際には、いまの職場でAWSの実務経験を積むという別のルートがあります。この記事では、筆者がそのルートで何をやったのか、Javaの経験はどこまで通用したのかを具体的に書いていきます。
※本記事の情報は2026年8月時点のものです。AWSのサービス内容・認定資格の体系は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
結論:AWSエンジニアに転職しなくても、AWSの実務は積める
詳細は後ほど説明しますが、筆者の実体験のまとめは以下となります。
- 入口は資格だった。SAAを取ったら、AWSの業務が自分に回ってくるようになった
- Javaの経験が直接生きた場面は少ない。それでもプログラミングの経験は無駄にならなかった
- 肩書きは「アプリ側のエンジニア」のまま。それでも積んだ実務経験は、後の転職で武器になった
「実務経験がないと転職できない。でも転職しないと実務経験が積めない」という、にわとりとたまごのような悩みをよく見かけます。筆者の場合は、転職せずに社内でAWSの実務を積むことでこの循環を抜けました。順に説明します。
前提:私はAWS専門職に転職したわけではない
最初にお伝えしておくと、筆者は「AWSエンジニア」という職種に転職したことはありません。経歴はSIerでのJava開発が約7年、その後SAPコンサルタントを経て、現在は生成AI・LLMを使ったアプリケーション開発をしています(詳しくはプロフィールにまとめています)。
AWSの実務経験は、1社目のSIerに在籍したまま、Javaの開発と並行して積んだものです。つまりこの記事は「AWSエンジニアになった人の話」ではなく、「アプリ開発者のまま、AWSの実務経験を手に入れた話」です。
職種を変えていないので地味に見えるかもしれません。ですが、ここで積んだ実務経験は2回の転職の選考で実際に評価されており、履歴書の職種名よりも「何を構築したか」の方がずっと効きました。その意味で、いま実務に就いている方にとっては再現しやすいルートだと思います。
JavaエンジニアがAWSを任されるようになるまで
きっかけは資格。SAAを取ったら仕事が回ってきた
当時、所属していた部署ではAWSの勉強強化を図っていましたが、社内にAWS資格の保持者はほとんどいませんでした。そこで筆者はソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)を取得しました。
すると、AWS関連の業務が自分に回ってくるようになりました。自分から手を挙げたわけでも、上司から指名されたわけでもありません。「資格を持っている人がいる」という理由で、声が掛かるようになったというのが実際のところです。
社内に有資格者が少ないほど、資格の「目印」としての効果は大きくなります。誰に任せるか迷ったとき、判断材料が資格くらいしかないためです。
▼AWS SAAの勉強方法・合格ロードマップはこちら▼


最初の仕事は「AWSで何ができるか」の調査・検証だった
最初に入ったのは、投資案件として「AWSで何ができるか」を調査・検証する社内プロジェクトです。筆者がはじめに担当したのは、高可用性のインフラ構成の検証でした。
いきなり本番システムの構築を任されたわけではなく、「まず調べて、試して、報告する」段階からのスタートです。ですが、これが実務経験の入口としてはとても良かったと思っています。本番運用の責任を負う前に、実際の環境で手を動かして構成を組む経験ができるからです。
もし社内にAWS導入の動きがあるなら、こうした調査・検証フェーズのプロジェクトは狙い目です。「資格を取ったので検証をやらせてほしい」は、実績がない状態でも通りやすい手の挙げ方だと思います。
検証から実務へ:JOB監視の仕組みを構築
検証を経て、その後はCloudWatchなどを使ったJOB監視の仕組みの構築のように、実際のシステムに関わる仕事へ進みました。さらに上位資格(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)を取得してからは、AWS関連の案件に一層アサインされやすくなり、「資格を取る→業務が回ってくる→実務経験が職務経歴になる」という循環ができました。
この実務経験が転職の選考でどう評価されたかは、以下の記事に詳しくまとめています。
▼AWS SAP取得は転職でどう評価されたかはこちら▼


Javaの経験はAWSの実務でどこまで通用したか
「Javaで開発をしてきたなら、AWSもすんなり扱えるのでは」と思われるかもしれません。ここは正直に書きます。
正直、Javaが直接生きた場面は少ない
筆者の実感では、Javaのコードを書く力がそのまま生きる場面は多くありませんでした。AWSの実務で実際に手を動かしたのは、インフラの構築や、認証・通知などアプリケーションと連携するための設定まわりです。これはJavaでサーバサイドのロジックを書く仕事とは別の領域で、別途学習が必要でした。
「アプリが書けるからクラウドもすぐできる」とは言えない、というのが経験者としての率直な感想です。逆に言えば、アプリ開発の経験がない方でも、この領域はどのみち全員が学び直しになるので、過度に不利を感じる必要はないと思います。
それでも、プログラミングの経験は無駄にならない
一方で、プログラミングの経験そのものは確実に効きました。分かりやすかったのはLambdaのコードをPythonで書いたときです。言語はJavaと違っても、処理の流れの組み立て方やエラーの扱いといった土台は共通なので、初めての言語でも内容を理解して書くことができました。
また、認証や通知の設定をするときも、「アプリケーション側から見て、この設定がなぜ必要なのか」がイメージできるのは、アプリ開発をやってきた人の強みだと思います。
まとめ:Javaの経験はどこで生きて、どこが学び直しか
筆者の実感を場面ごとに整理すると、以下のとおりです。
| 場面 | Javaの経験は | 補足 |
|---|---|---|
| Lambdaなどのコード実装 | 生きた | 言語がPythonでも、処理の組み立てやエラーの扱いは共通 |
| アプリと連携する設定の意味理解 | 生きた | 「この設定がなぜ必要か」をアプリ側から理解できる |
| インフラ構築(構成・可用性の設計) | 学び直し | Java開発とは別領域。資格の学習範囲が地図になる |
| 認証・通知まわりの設定 | 学び直し | 実務で最も手を動かした部分。別途学習が必要だった |
学び直しの地図として役に立ったのが、資格の勉強でした。SAAの学習範囲はインフラ構成や認証の基礎を一通りカバーしているので、「自分が何を知らないのか」を把握するのに向いていると思います。
これから同じルートをたどるなら
資格から入るのは、今も有効だと思います
筆者のルートを整理すると「資格を取る→社内でAWSの業務が回ってくる→実務経験が積み上がる→上位資格でさらに加速」という順番でした。資格は転職市場でのアピール材料である前に、社内で仕事を取りにいくための目印として機能します。
「AWS資格は意味ない」という意見への筆者の考えは、以下の記事に詳しくまとめています。
▼AWS資格は意味ない?転職の実際を検証した記事はこちら▼


当時と今の違い:「作業」はAIがやる。問われるのは判断
筆者がAWSの実務を積んだ当時と比べて、いま明らかに変わったと感じるのは生成AIの存在です。プログラムを書くといった作業系のタスクは、それ自体を時間をかけて習得する必要が薄れてきています。
一方でAWSの実務では、構成が適切か、コスト・可用性・セキュリティのバランスをどう取るかという「判断」が、これまで以上に問われるようになっています。そしてこの判断力は、実際に構成を組んで運用してみた経験からしか身につきにくいものです。作業がAIに置き換わるほど、実務経験の価値はむしろ上がっていると感じます。
手を動かす学習の目的が変わってきています。作業を覚えるためではなく、「判断の材料を貯める」ために手を動かす、と考えると迷いにくいですよ。
よくある質問
Q. Javaの経験は無駄になりませんか?
A. 無駄にはなりません。ただし「そのまま通用する」わけでもありません。プログラミングの土台と、アプリ側から設定の意味を理解できる視点は確実に活きますが、インフラや認証まわりは学び直し前提で考えるのが現実的です。
Q. 社内にAWSの案件がない場合はどうすればいいですか?
A. 筆者のルートは「社内にAWS導入の動きがあった」ことが前提なので、そこは正直に書いておきます。動きが全くない場合は、AWS無料利用枠(Free Tier)で自分の環境を構築してみる、導入検討の話が出たときに資格を根拠に手を挙げる、のいずれかになると思います。
Q. 資格が先ですか、実務が先ですか?
A. 筆者は資格が先でした。社内に有資格者が少ないほど「目印」の効果が大きいためです。どの資格から始めるかは、以下の記事で全体像を確認してみてください。
▼AWS認定資格の全12種類と難易度の比較はこちら▼


それでも「職種ごと変えたい」場合
この記事では「転職せずに実務を積む」ルートをお伝えしてきましたが、AWS専門の職種として働きたい、環境ごと変えたいという方には転職ももちろん選択肢です。その場合も、社内で積んだAWSの実務経験はそのまま選考の武器になります。筆者自身、この経験を持って転職活動をし、実際に評価されました。
IT・Web業界に特化した転職エージェントを使うなら、筆者が実際に利用したGeeklyの体験談が参考になると思います。
▼IT特化型エージェントGeeklyを実際に使った感想はこちら▼


さいごに
この記事では、JavaエンジニアだったがAWSの実務経験を積むまでにやったことと、Javaの経験がどこまで通用したかをお伝えしました。
AWSの実務経験は、転職しなくても、いまの職場で積み始められます。入口として一番効いたのは資格でした。社内にAWSの動きが少しでもあるなら、まずSAAの取得から始めて、検証プロジェクトのような小さな仕事に手を挙げてみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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