AIエンジニア・AIコンサルタントの年収がどのくらいなのかを、出典つきの相場データと筆者自身の実額の両方からお伝えさせていただきます。
筆者はSIerで7年、SAPコンサルタントとして3年働き、年収が約840万円になったところで生成AIの仕事に移りました。そのとき年収は約750万円に下がっています。つまり「AI領域へ移ると年収はどうなるのか」を、上がった側ではなく下がった側の当事者として書けます。
この記事では、AIコンサルタントとAIエンジニアという2つの職種の違いを整理したうえで、求人統計・転職エージェントの公表値・フリーランスの単価相場という3種類のデータで年収の見方を確認します。そのうえで「年収700万円・800万円・900万円」という水準が誰に向けた求人なのかを考えます。読み終えたときに、自分の経験が今の市場でどのあたりに置かれるのかを、自分で確かめられる状態を目指します。
この記事はこんな方におすすめです!
- SIer・SAP・インフラなどの実務経験があり、AI領域へ移ったら年収がどうなるか知りたい方
- 「AIコンサルタント 年収700万」のような求人を見かけて、自分が届くのか確かめたい方
- AIコンサルタントとAIエンジニアの違いが曖昧なまま、求人を眺めている方
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。年収・単価の数値は各出典の調査時点のものであり、最新情報は各出典元でご確認ください。
結論:AIコンサルとAIエンジニアは別の職種で、年収の付き方も違う
詳細は後ほど説明しますが、まとめは以下となります。
- AIコンサルとAIエンジニアは、担当する工程が違う別の職種です。案件を作る側か、動くものを作る側かで分かれます
- 「AIエンジニア」という職種区分は、データソースによって有ったり無かったりします。相場は求人ベースの統計とエージェントの公表値を突き合わせて見るしかありません
- 求人ベースで見ると、AIエンジニアの給与のボリュームゾーンは700万円より下にあります。700万円〜900万円は上振れ側の水準です
- コンサル側は、同じ700万円〜900万円が「中堅からマネージャー」の帯として提示されています。同じ金額でも意味が違います
- 筆者自身は、SAPコンサルの約840万円からAI職へ移って約750万円になりました。移った瞬間に上がるとは限りません
この記事で扱う数値は、すべて出典と調査時点を本文に明記しています。出典によって数値の幅が大きいため、単一の「相場値」を示すことはしません。数値が食い違う理由のほうが、自分の年収を考えるうえでは役に立ちます。
「AIコンサルタント」と「AIエンジニア」は何が違うのか
年収の話に入る前に、職種の区別をはっきりさせておきます。ここが曖昧なまま求人を見ると、提示額だけを比べて判断してしまうためです。ごく短くまとめると次のようになります。
- AIコンサルタント:クライアントの業務を分析し、どこにAIを入れるかを決めて案件を成立させる
- AIエンジニア:決まった方針のもとで、モデルやアプリケーションを実装して動かす
AIコンサル=業務側。案件を作る人
転職エージェントのJACリクルートメントは、AIコンサルタントの主な業務を「現状分析と課題抽出」「AI戦略の立案と最適なソリューションの提案」「プロジェクト管理と導入支援」の3つとしています(出典・最終更新2026年6月30日)。同ページでは、ITコンサルタントが「IT戦略全般に対するアドバイスを提供」するのに対し、AIコンサルタントは「AI技術の導入や活用を提案・支援」する点が違いだと説明されています。
要するに、クライアントの業務を理解して「どこにAIを入れるか」を決め、プロジェクトとして成立させる役割です。手を動かす比率は会社・案件によりますが、成果として評価されるのは実装物そのものではなく、導入の意思決定と推進のほうになります。
AIエンジニア=実装側。動くものを作る人
一方のAIエンジニアについて、求人ボックスは「人工知能技術を活用してシステムやサービスを開発する専門職」とし、主な業務に「自然言語処理や機械学習アルゴリズムの実装、データ分析、モデルの精度向上」を挙げています。求められるスキルとしてはPython・TensorFlow・PyTorchと、クラウド環境(AWS、Azure、GCP)での開発経験が挙げられています(出典・更新日2026年9月2日)。
この記述はあくまで求人情報から帰納した一般的な説明です。実際には、機械学習モデルを研究に近い距離で扱う仕事と、既存のAPIを組み合わせて業務システムに載せる仕事とでは、必要なスキルがかなり違います。筆者が現在いるのは後者に近い領域です。
求人票では混ざっている — 何を見て区別するか
問題は、求人票のタイトルでは両者がはっきり分かれていないことです。「AIコンサルタント」という名前でも実装が中心の求人はありますし、「AIエンジニア」でも顧客折衝と要件定義が主業務のものがあります。筆者が転職活動をしたときも、職種名だけでは中身が判断できない求人が多くありました。
職種名ではなく、次の3点を求人票の本文から読むと区別がつきます。
| 見るところ | コンサル寄りの求人 | エンジニア寄りの求人 |
|---|---|---|
| 必須要件の書かれ方 | 業界知識・業務プロセス・PM経験が先に来る | 言語・フレームワーク・クラウドが先に来る |
| 成果物として挙がるもの | 提案書・要件定義書・導入計画 | モデル・API・アプリケーション |
| 想定する相手 | クライアントの事業部門・経営層 | 社内の開発チーム・プロダクト |
この区別は、年収の話に直結します。後述のとおり、同じ「年収800万円」でも、コンサル側とエンジニア側では求められている経験がまったく違うためです。
AI職の年収相場は「職種の区分がそろっていない」ところから始まる
相場を調べようとすると、最初にこの壁に当たります。ここを飛ばして「平均◯◯万円」という数字だけを受け取ると、判断を誤ります。
データソースによって「AIエンジニア」の区分は有ったり無かったりする
年収を調べるときによく使われるデータソースを、AIエンジニアという区分があるかどうかで並べると次のようになります(いずれも2026年9月20日に確認)。
| データソース | AIエンジニアの区分 | 実際に載っている職種 |
|---|---|---|
| 求人ボックス 給料ナビ(求人情報から算出) | ある | AIエンジニア。ただし同ページの「政府統計データ」欄はシステム・エンジニアの数値 |
| doda 平均年収ランキング(登録者の実年収) | ない | ITコンサルタント、データサイエンティスト、プロジェクトマネジャーなど |
| レバテックフリーランス 単価相場(案件の単価) | ない | データサイエンティスト、ITコンサルタントなど |
| 求人ボックス 給料ナビの「AIコンサルタント」 | ページが存在しない | ― |
分かりやすい例が求人ボックスです。同サイトのAIエンジニアのページには「政府統計データ」という欄がありますが、そこに表示されているのは厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の「システム・エンジニア」の数値(平均年収556万円)です(出典・更新日2026年9月2日)。AIエンジニアという名前のページはあっても、そこに当てられている公的統計は隣接する職業分類のもの、ということです。
民間の大規模調査でも同じです。dodaの「平均年収ランキング」の技術系(IT/通信)の職種一覧には、「AIエンジニア」「機械学習エンジニア」という項目がありません。
掲載されているのはプロジェクトマネジャー707万円、ITコンサルタント601万円、データサイエンティスト539万円などで、調査全体の平均年収は469万円です。調査対象は2024年9月〜2025年8月末までの間に同サービスへ登録した20〜65歳の男女で、雇用形態は正社員、有効回答は約60万件とされています(出典・2026年9月20日確認)。
この記事で紹介する数値は、すべて求人情報から算出したものか、エージェントが自社の支援実績から示したものです。性質が違うので、横に並べて優劣を比べることはできません。「AI職の平均年収は◯◯万円」という一つの数字を探すより、どのデータソースが何を数えているかを見たほうが、自分の立ち位置は掴めます。
なお、年代別・企業別の年収は本記事では扱いません。AIエンジニア単独の区分で年代別のデータを示している出典を確認できなかったためです。年代別の数値が必要な場合は、隣接職種(データサイエンティストやITコンサルタント)のデータで代用することになります。
求人ベースの統計で見たAIエンジニアの年収
求人ボックス「給料ナビ」は、掲載されている求人情報から給与水準を算出しています。AIエンジニアの数値は以下のとおりです(2026年9月に算出、更新日2026年9月2日)。平均年収は平均値ではなく集計対象求人における給与水準の中央値である点に注意してください。
| 項目 | AIエンジニア | ITコンサルタント |
|---|---|---|
| 平均年収(中央値) | 626万円 | 691万円 |
| 正社員のボリュームゾーン | 498〜605万円 | 583〜722万円 |
| 全体の給与幅 | 392〜1,242万円 | 443〜1,559万円 |
| 月給換算 | 52万円 | 58万円 |
| 初任給の目安 | 25万円程度 | 25万円程度 |
出典:求人ボックス 給料ナビ「AIエンジニアの年収・時給」「ITコンサルタントの年収・時給」(ともに更新日2026年9月2日)
注目したいのは平均値そのものより給与幅の広さです。AIエンジニアは392万円から1,242万円まで、3倍以上の開きがあります。同じ職種名でも、求められるスキルと勤務先によって提示額がまったく違うということです。「AIエンジニアの年収は◯◯万円」という平均値を自分に当てはめても、あまり意味がありません。
地域差も出ています。同ページによると、最も高いのは東京都の720万円、最も低いのは長野県の438万円で、280万円以上の開きがあります(求人件数の少ない都道府県は集計対象外)。リモート前提で考えるにしても、提示額が首都圏の水準に引きずられている点は踏まえておく必要があります。
AIコンサルタントの年収レンジ(転職エージェントの公表値)
AIコンサルタントについては、求人ボックスの給料ナビに該当ページがありません(2026年9月20日時点で確認)。求人ベースの中央値という形の数値は取れないため、転職エージェントが公表しているレンジを見ることになります。
JACリクルートメントは、AIコンサルタントの年収の目安を役割別に次のように示しています(出典・最終更新2026年6月30日)。
| レベル | 年収の目安 |
|---|---|
| 中堅レベル(シニア) | 600万〜1,200万円程度 |
| 上級レベル(マネージャー) | 800万〜1,500万円程度 |
| エキスパートレベル(シニアマネージャー) | 1,300万〜3,000万円程度 |
同ページには「JACがAIコンサルタントの転職を支援した事例は、マネージャー以上でのポジションが多いため、年収は1,000〜1,500万円のケースが多いです」という記述もあり、根拠は「当社実績(2024年1月〜2024年12月)」と明記されています。
ここは読み方に注意が必要です。ハイクラス層を主な対象とするエージェントの支援実績なので、AIコンサルタント全体の分布ではありません。求人ボックスの中央値626万円(AIエンジニア)と、この1,000万〜1,500万円という帯を単純に比べて「コンサルのほうが数百万円高い」と結論するのは誤りです。母集団が違います。
フリーランス(単価)で見るとどうか
フリーランスの単価相場でも、同じ「区分が無い」問題が起きます。レバテックフリーランスの単価相場ページ(2026年9月20日確認)の職種一覧には、「AIエンジニア」「機械学習エンジニア」という職種項目がありません。近い職種として掲載されているのは以下です。
| 職種 | 平均単価(月額) | 最高単価(月額) | 掲載案件数 |
|---|---|---|---|
| データサイエンティスト | 79万円 | 198万円 | 1,362件 |
| ITコンサルタント | 103万円 | 295万円 | 3,216件 |
出典:レバテックフリーランス「単価相場」(2026年9月20日確認)
単価を12ヶ月分に換算すると、データサイエンティストで年約948万円、ITコンサルタントで年約1,236万円という計算になります。ただしこれは稼働率100%を前提に月単価を単純に12倍した売上ベースの試算であり、経費・税金・案件が途切れる期間を差し引く前の金額です。正社員の年収と同じ土俵では比べられません。
そして繰り返しになりますが、この表に「AIエンジニア」はありません。フリーランス市場でも、AI職は独立した単価相場が確立されているわけではなく、データサイエンティストやITコンサルタントといった既存の職種枠で値付けされているのが実情だと考えられます。
ただし「区分が無い=案件が無い」ではありません。同じページの掲載案件数はデータサイエンティストで1,362件、ITコンサルタントで3,216件あり、求人ボックスの給料ナビもAIエンジニアの求人から給与水準を算出できるだけの件数を集計しています。一定量の募集があることは確認できます。求人数が増えているのか減っているのかについては、推移を示す出典を確認できなかったため、この記事では触れません。
▼SAPコンサルの年収相場(雇用形態・経験年数・分野別)はこちら▼
SAPコンサルの年収相場|雇用形態・経験年数・分野別の傾向を解説
「年収700万・800万・900万」の求人はどういう人向けか
ここまでのデータを、金額の帯に並べ直します。同じ700万〜900万円でも、エンジニア側から見るかコンサル側から見るかで意味が変わります。
| 年収 | AIエンジニアとして見ると | AIコンサルタントとして見ると |
|---|---|---|
| 700万円 | ボリュームゾーン(498〜605万円)より上。中央値626万円も上回る水準 | 中堅(シニア)の帯(600万〜1,200万円)の下寄り |
| 800万円 | 同上。全体の給与幅(392〜1,242万円)の中では上位側 | 上級(マネージャー)の帯(800万〜1,500万円)の入口 |
| 900万円 | 上限(1,242万円)に近づく帯。求人数は多くないと考えられる | マネージャーの帯の中。JACの支援実績で多いという1,000万〜1,500万円の手前 |
この表から言えることは2つあります。
ひとつめは、700万〜900万円という帯は、AIエンジニアとしては「上振れ側」だということです。求人ベースの中央値が626万円、ボリュームゾーンが498〜605万円ですから、700万円の時点ですでに真ん中より上になります。実装スキルだけでこの帯に届くケースがないとは言いませんが、求人の分布としては主流ではありません。
ふたつめは、コンサル側から見ると同じ帯が「中堅からマネージャー」の入口だということです。JACの区分では800万円はマネージャーレベルの下限にあたります。つまりこの帯の求人は、技術力そのものよりも案件を成立させて回す経験を見られている可能性が高い、ということになります。
「aiコンサルタント 年収700万」のような検索をしているなら、確認すべきは「その金額の求人が存在するか」ではなく、その金額の求人が要件として何を書いているかです。前職で上流工程やプロジェクト推進を経験しているなら、AIの実装経験が浅くてもこの帯の求人の要件を満たしていることがあります。逆に実装は得意でも顧客折衝の経験が無い場合、同じ金額の求人でも通りにくくなります。
なお、求人票に書かれたレンジは上限が広めに出ます。「600万円〜1,200万円」と書かれていても、未経験に近い応募者に上限が提示されることはまずありません。実際にいくらで着地するかは、選考の中でしか分かりません。
筆者の実例:SAPコンサル年収約840万円からAI職へ移って何が起きたか
ここからは相場の話ではなく、筆者一人の実例です。一般化できる数字ではありませんが、「移った直後に何が起きるか」の具体例としてご覧ください。
年収は約840万円から約750万円になった
| 項目 | 転職前 | 転職後 |
|---|---|---|
| 年収 | 約840万円 | 約750万円 |
| 職種 | SAPのFIコンサルタント | 生成AIの開発エンジニア |
| 評価された軸 | SAP FIモジュールの専門性 | AI開発の実務でやれること |
筆者はSIerで7年働いたあと、未経験でSAPのFIコンサルタントに移り、3年で年収が約650万円から約840万円になりました。その状態から生成AIの開発職に転職し、年収は約750万円になっています。差は約90万円です。
下がった理由ははっきりしていて、SAPという領域で積んだ3年が、そのままAI領域の値段にはならなかったからです。前職では「SAPのFIモジュールが分かるコンサルタント」として値段がついていましたが、転職先ではその肩書きは効きません。年収が下がったのは市場が冷えていたからではなく、評価される軸が変わったためです。
下がると分かっていて移った理由
当時、そのまま続けていれば1段階昇級する見込みがあり、年収ベースでは100万円ほど上がる計算でした。それでも移ったのは、やりたい技術がSAPの外にあったからです。この判断の経緯は別記事に詳しく書いています。
▼年収840万円を手放してAIエンジニアになった転職の体験談はこちら▼
SAPコンサルで年収840万。それを捨ててAIエンジニアになった話
戻すならどこで戻すのか
下げた年収をどこで取り戻すかは、移る前に考えておいたほうがいい論点です。この記事で見てきたデータに沿って言えば、選択肢は大きく2方向あります。
- エンジニアとして上振れ側へ寄せる:求人ベースの給与幅は392万〜1,242万円と広く、上限側は中央値の2倍近くあります。ただしこの帯に届くには、実装の深さか、扱う領域の希少性が要ります
- コンサル側の帯に乗る:JACの区分ではマネージャーで800万〜1,500万円程度です。前職で上流工程やプロジェクト推進を経験しているなら、こちらのほうが距離が近いことがあります
筆者は前者を選んでいますが、SAP・ERPの上流経験がある方であれば、後者のほうが年収の落ち幅は小さいかもしれません。どちらが自分に向いているかは、求人票のレンジではなく要件欄に書かれている経験を読んで判断するのが確実です。
年収を上げるために効くもの・効かないもの
ここは統計ではなく、筆者が実際に転職活動をして感じたことです。根拠が体験である点は明示しておきます。先にまとめると次の3点です。
- 効く:前職のドメイン知識(会計・販売・生産などの業務プロセスの理解)
- 限定的に効く:AI関連の資格。基礎を押さえた証明にはなるが、それ自体で年収は動かない
- 効かない:「生成AIのツールを使える」こと。すでに差別化要素ではない
前職のドメイン知識には値段がつく
AI導入の案件で難しいのは、モデルを作ることよりも「どの業務にどう入れるか」を決める部分です。会計・販売・生産といった業務プロセスを知っている人は、そこで価値を出せます。SAPやERPの経験は「AIとは関係ない過去」ではなく、AIコンサル側の要件に直結する経験だと考えたほうが実態に近いと思います。
実際、この記事で見たJACの区分でも、AIコンサルタントの業務の1つ目は「現状分析と課題抽出」です。技術ではなく業務の理解から始まっています。
資格(AWS AI Practitioner等)はどこまで効くか
AI関連の資格として取り組みやすいのは、AWS Certified AI Practitionerです。AWS公式によればレベルは「Foundational」、試験時間90分・65問で、対象は「AWSでのAI/ML概念と生成AIの基礎知識を検証したい方」とされています(AWS公式・2026年9月20日確認)。受験料は変動するため、金額は公式サイトでご確認ください。
位置づけが「Foundational(基礎)」である以上、この資格を持っているから年収が上がる、という性質のものではありません。効くのは、AI領域に軸足を移すことを決めた人が、面接で「基礎は押さえている」と示す場面です。筆者の実感でも、資格そのものより、資格の勉強で用語と全体像が分かったことのほうが役に立ったと思います。
▼AWS Certified AI Practitionerの勉強方法はこちら▼
AWS認定資格の入門編「AWS Certified AI Practitioner」とは?勉強方法を解説
「生成AIが使える」だけでは差がつかない
生成AIのツールを業務で使えること自体は、もはや差別化になりません。求人票の必須要件を見ても、求められているのはPython・TensorFlow・PyTorchといった実装スキルや、クラウド環境での開発経験のほうです(求人ボックスの職種説明より)。
年収の話に引き寄せると、「使える」ではなく「業務に載せて運用まで持っていける」かどうかが分かれ目になります。前者は誰でも到達できる一方、後者は業務理解とエンジニアリングの両方が要るため、人が少ないからです。
AI職への転職で、自分の相場を確かめる方法
ここまで見てきたとおり、AI職の年収は公開データだけでは精度が出ません。求人票のレンジは幅が広く、上限が広めに出ます。自分の経験にいくら付くのかは、実際に応募プロセスに乗らないと分からないというのが率直なところです。
そのうえで、転職するかどうかを決める前に自分だけでできることが3つあります。順にやると、自分がエンジニア側とコンサル側のどちらに寄っているかが見えてきます。
- 狙う帯の求人を5件開き、金額を隠して「必須要件」欄だけを並べる。700万円台・800万円台の求人を混ぜると、帯ごとの要件の差が分かります
- 自分の職務経歴書のうち、その要件に一致する行を数える。言語・クラウドの行が多ければ実装側、業務プロセスや推進の行が多ければ案件を作る側に寄っています
- その結果を持って、エージェントに実際に紹介されるレンジを確認する。ここで初めて、自分の経歴に付く金額が数字として返ってきます
3つ目の段階では、IT領域に強い転職エージェントに相談して、自分の経歴でどのレンジの求人を紹介されるかを見るのが早いです。求人票に出ていない実額のレンジは、エージェント経由でしか確認できないことが多いためです。
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。エンジニアやコンサルタントとしての経験を活かせる求人について、専任のキャリアアドバイザーに相談できます。筆者も前回の転職活動で実際に使いました。
【AXIS Agent(アクシスエージェント)】は、コンサル業界・ポストコンサル転職に特化した転職エージェントで、ハイクラス層の転職支援に強みがあります。コンサルとしての専門性をより評価してくれる企業を探したい方に向いています。
▼Geeklyを実際に使った感想はこちら▼
Geeklyを実際に使った感想|資格を活かした転職に強いIT特化エージェント
よくある質問(FAQ)
未経験からAIエンジニア・AIコンサルタントになれますか?
IT実務の経験があるかどうかで答えが変わります。
IT実務の経験があって「AI領域だけが未経験」という意味であれば、十分に可能性があります。筆者自身、SAPコンサルからAI開発職への転職ではAIの実務経験ゼロの状態で採用されました。前職の経験がどう評価されるかで結果が変わるので、AIの経験年数だけで判断しないでください。
完全な未経験(IT実務そのものが初めて)の場合は、まず入口の水準を知っておくとよいです。求人ボックスが示すAIエンジニアの初任給の目安は25万円程度、給与幅の下限は392万円ですが、これは職種全体の数値であって未経験者への提示額ではありません。同じ額が提示されるとは限らない点には注意してください。
年収を下げずにAI職へ移れますか?
移る先の職種によります。実装側(AIエンジニア)へ移る場合、求人ベースのボリュームゾーンが498〜605万円であることを踏まえると、前職の年収が700万円を超えていた方は下がる可能性があります。一方、上流経験を活かしてコンサル側の帯を狙う場合は、維持できる余地があります。筆者はエンジニア側を選んで約90万円下がりました。
SAPやERPの経験はAI領域では無駄になりますか?
無駄にはなりませんが、そのままの値段では引き継げません。筆者の場合、SAPコンサルとしての専門性は転職先の評価軸には乗らず、年収は下がりました。ただし業務プロセスを理解しているという点は、AI導入の要件定義で今も効いています。「肩書きは引き継げないが、業務理解は引き継げる」という整理が実感に近いと思います。
AIコンサルタントとAIエンジニア、年収が高いのはどちらですか?
この記事で確認できた範囲では、比較できる形のデータがありません。AIエンジニアには求人ベースの中央値(626万円)がありますが、AIコンサルタントには求人ベースの統計が無く、エージェントの支援実績(ハイクラス層中心)しか公表されていないためです。母集団が違う数値を比べても意味がないので、「どちらが高いか」ではなく「自分の経験がどちらの要件に近いか」で考えることをおすすめします。
さいごに
AIエンジニアとAIコンサルタントの違い、公開されている年収データの読み方、そして「年収700万・800万・900万」という帯が誰に向けた求人なのかをお伝えしました。
要点を1文でまとめると、AI職の年収は職種名ではなく「実装側か、案件を作る側か」で決まっており、同じ金額の求人でも要求される経験がまったく違うということです。データソースによって職種の区分がそろっていない以上、平均値を自分に当てはめるより、求人票の要件欄を読んで自分がどちら側に近いかを確かめるほうが確実です。
次の一歩としては、まず気になる求人の要件欄を5件ほど読み比べてみてください。金額ではなく要件を並べると、自分に足りていないものがはっきりします。SAP・ERP領域から動くことを検討している方は、以下の記事もあわせてご覧いただければと思います。
▼SAPコンサルの実態・キャリアの選択肢はこちら▼
- SAPコンサルはやめとけ?3年働いて離れた本人が実態を語る
- SAPコンサルからエンジニアに戻れる?3年ぶりに開発職へ転職した実体験
- 未経験からSAPコンサルになるには?FIコンサルになった本人が実体験で解説
- S/4HANA移行案件はどんな仕事?中で働いたFIコンサルが実態を語る
最後までお読みいただきありがとうございました。


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