「SAPコンサルはやめとけ」という声を見て不安になっている方に向けて、実際にSAPコンサルタントとして3年働き、その後開発職に戻った筆者の実体験をお伝えさせていただきます。
筆者はSIerでのJava開発を約7年経験したあと、未経験からSAPコンサルタントに転職し、FIモジュール(会計)の担当として3年働きました。現在はSAPコンサルを離れ、生成AI・LLMを使ったアプリケーション開発をしています。
結論からいうと、筆者は「やめとけ」とは思いません。ただし、「やめとけ」と言われる理由の一部は実際に当てはまりました。この記事では、よく言われる理由のどれが本当で、どれが違ったのかを、中にいた人間の実体験で検証します。
※本記事の情報は2026年8月時点のものです。働き方・待遇は会社や案件によって差がありますので、あくまで筆者個人の体験としてお読みください。
結論:「やめとけ」とは思わない。ただし合わない人がいる
詳細は後ほど説明しますが、3年働いた筆者の結論は以下となります。
- 激務になりがちなのは本当。通常フェーズでも深夜2時まで働くことがあった
- 「同じような仕事の繰り返し」も半分は本当。需要はあるが、変化は少ない
- それでも待遇は良く、離れたあとも評価される経験になる。「潰しが利かない」は当てはまらなかった
「やめとけ」とひとくくりに言われがちですが、実際には合う人にとっては条件の良い仕事です。何が本当で何が違ったのか、順に説明します。
筆者のSAPコンサル経歴(前提)
まず前提として、SAPコンサルタントは、企業の基幹システム(ERP)であるSAPの導入・設定・保守を、会計や購買などの業務知識とあわせて支援する仕事です。筆者の経歴は以下のとおりです。
| 前職 | SIerでのJava開発(約7年) |
| SAPコンサル期間 | 約3年(未経験から転職) |
| 担当モジュール | FI(会計) |
| 担当した案件 | S/4HANAへの移行案件と、稼働後の保守の両方 |
| 保有資格 | SAP認定資格(FI領域) |
| 現在 | 生成AI・LLMを使ったアプリケーション開発 |
未経験からの転職でしたが、Java開発とチームリーダーの経験を評価してもらう形でSAPコンサルになりました。経歴の全体はプロフィールにまとめています。
なお、この記事で扱う「SAP」はERPパッケージのSAPです。AWS認定資格のSAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)とは名前が同じだけの別物で、AWS資格の話は「AWS SAP取得は転職で評価される?」に書いています。
▼SAP認定資格が実際に必要かどうかはこちら▼

「やめとけ」と言われる理由は本当か?実体験で検証
「SAPコンサル やめとけ」で検索すると、激務・同じ仕事の繰り返し・潰しが利かない、といった理由が並びます。3年働いた実感で、1つずつ検証します。
理由① 激務になりがち → 当てはまった
これは実際に当てはまりました。筆者の場合、繁忙期やトラブル対応に限らず、通常フェーズでも深夜2時まで働くことがありました。
SAPの導入プロジェクトは大企業向けが中心で、関係者が多く、スケジュールの期限も簡単には動かせません。特にFI(会計)は月次・年次の決算に直結するため、「この日までに動かないと業務が止まる」という締め切りが常にあります。労働時間が延びやすい構造だと思います。
もちろん働き方は会社・案件・時期によって差があります。ただ、「残業ありきの期間がある」ことは入る前に知っておいた方がよいです。
「深夜まで働く時期もある」を受け入れられるかは、事前に自問しておきましょう!
理由② 同じような仕事の繰り返しで成長できない → 半分当てはまった
これは半分当てはまり、半分は違うというのが実感です。
当てはまったのは、仕事内容の変化が少ないことです。SAPの仕事は需要があり、案件が途切れる不安はありませんでした。ただ、扱う製品がSAPに固定されるため、案件が変わっても「同じようなことの繰り返し」になりやすいです。新しい技術を次々と触りたいタイプだった筆者には、ここが一番物足りない部分でした。
一方で、需要の面では悲観していません。旧バージョン(ECC)の標準保守が2027年末に終了する予定で、延長オプションを使っても2030年末までとされています(いわゆるSAP 2027年問題)。S/4HANAへの移行需要は当面続く見込みで、筆者自身も移行案件と保守の両方を担当しましたが、移行の仕事はまだ残っている実感があります。
▼S/4HANA移行案件の仕事の実態はこちら▼


まとめると「需要はあるが、同じようなことが続く」。安定を取るか、変化を取るかで評価が分かれるポイントです。
理由③ 潰しが利かない → 当てはまらなかった
「SAPしかできない人になって、他に行けなくなる」という声もありますが、筆者には当てはまりませんでした。実際に、SAPコンサルから開発職(現在の生成AI・LLMを使った開発)に戻れています。
転職の選考で評価されたのは、SAPの製品知識そのものではなく、プロジェクトを回したマネジメントの部分でした。大企業向けプロジェクトでの進行管理・関係者との調整・顧客対応は、職種を変えても通用する経験として見てもらえます。
「技術から離れると戻れなくなりそう」と不安な方こそ、日々のマネジメント経験を言語化できるようにしておきましょう。それができれば、SAPコンサルの経験で選択肢が狭まることはないと思います。
▼SAPコンサルから開発職に戻った転職の実体験はこちら▼


それでもSAPコンサルの待遇が良いのはなぜか
「やめとけ」と言われる一方で、SAPコンサルの年収水準が高いのも事実です。筆者の実感では、理由は「大企業向け」かつ「高単価」という構造にあります。
SAPを導入するのは大企業が中心で、プロジェクトの規模も金額も大きくなります。その分コンサルタントの単価も高く設定されやすく、給与水準に反映されます。対応できる専門人材が限られていることも、単価を押し上げている要因だと思います。
筆者もSAPコンサル時代に年収は大きく上がりました。実額を含めた詳しい経緯と、それでも離れた理由は以下の記事に書いています。
▼SAPコンサルの年収と、それを捨てた理由はこちら▼


向いている人・向いていない人
ここまでの検証を踏まえて、3年働いた実感から向き不向きを整理します。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 業務知識(会計・購買など)を武器にしたい方 | 最新技術を次々と追いかけたい方 |
| 調整・マネジメントが苦にならない方 | 自分の手を動かして開発し続けたい方 |
| 年収と安定した需要を重視する方 | 深夜対応の可能性がある働き方を避けたい方 |
筆者が離れたのは「向いていない人」側の理由です。やりたい技術(AI)が外にあっただけで、SAPコンサルという仕事自体が嫌になったわけではありません。
SAPコンサルを続けるか迷ったら
現役の方で「このまま続けるか」を迷っている場合、いきなり辞める・続けるの二択で考える必要はないと思います。筆者も「SAPが嫌だから」ではなく、「やりたい技術が外にあったから」離れる選択をしました。
先ほどお伝えしたとおり、SAPコンサルの経験は職種を変えても評価されます。いまの市場価値を確かめる意味でも、転職エージェントに話を聞いてみるのは有効です。IT・Web業界に特化したエージェントなら、筆者が実際に使ったGeeklyの体験談が参考になると思います。
▼IT特化型エージェントGeeklyを実際に使った感想はこちら▼


さいごに
この記事では「SAPコンサルはやめとけ?」という疑問に、3年働いて離れた筆者の実体験でお答えしました。
激務と変化の少なさは本当。それでも待遇は良く、離れたあとも評価される仕事。これが筆者の結論です。
「やめとけ」という他人の声ではなく、この記事で書いた実態が自分に合うかどうかで判断してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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